肩こりについて
肩こりは腰痛と並び、悩んでいる方の非常に多い疾患です。
ちびまる子ちゃんやクレヨンしんちゃんなどのアニメでも、親への感謝表現でよく肩たたき券をプレゼントするほど、体の痛みの代表格。
では、その肩こりの原因は、いったい何なのでしょうか。
肩こりの原因は肩にない
肩が凝ったので肩を揉んでもらって楽になったが、またすぐに凝ってきたなんて経験がある方は、非常に多いのではないでしょうか。
ぶり返すという事は、完治していないという事。
もし、肩こりの原因が、肩(患部)の筋肉が硬くなっているのでしたら、肩をマッサージしたり温めたりすれば治るはずですが、実際にはその場、もしくは何日か調子がいいだけで完治はしません。
当院の経験上、患部に原因がある疾患は、患部を調整すれば必ず治ります。
それなのに治らないという事は、肩こりの原因は「肩にない」という事です。
患部が原因の疾患が完治する理由
例えば、打撲や肉離れなどは、患部(痛い部分)に原因があるので、患部を施術すれば改善し、最終的には完治します。
患部に原因がある疾患は、患部そのものにダメージ(傷)を負っている状態なので、患部を調整することで血流を改善し、自己治癒力を高めて完治させることができるのです。
しかし、肩のマッサージをずっと続けることで、肩こりがなくなった方、肩が凝らなくなった方は、ほとんどいないのではないでしょうか。
肩こりは、原因が患部(肩)にないので、いくら肩を揉んでも完治しません治りません。
同じように、腰痛や変形性膝関節症などの慢性疾患と呼ばれるものや、オスグッドやセーバー病などのスポーツ障害も、患部に原因がないので、患部を施術するだけで完治させることは不可能です。
仮にその場で改善したとしても、また症状がぶり返します。
ぶり返すということは、完治していないという事です。
治療によっては、ただの足踏みで一歩も改善へ進んでいない場合もあるので注意が必要です。
肩こりは体の使い方や姿勢が原因?
日常生活での体の使い方や姿勢が肩こりの原因だという話を聞きますが、本当にそうなのでしょうか?
それならば、正しい体の動き、姿勢ができるように調整すればよいのですが、そもそも体の使い方や姿勢の悪さは肩こりの原因ではありません。
何故なら、姿勢がものすごく悪い猫背の方でも、まったく肩こりしていない人がたくさん存在するからです。
原因は必ずイコールで結ばれていなければいけません。
猫背=肩こり
といった感じです。
しかし、肩こりの場合、
猫背≠肩こり
のケースが存在しています。
ということは、根本原因は他にあるということです。
原因があるから結果(症状や状態)が出ているのですから、原因があるのに結果がないケースがある場合は、その原因は間違えているということです。
よく「歳だから」と痛みの原因を挙げる方がいらっしゃいますが、歳が原因なら、同じ年齢全員が同じ痛みを持っているはずです。
実際は違うので、歳だから肩が痛い、膝が痛い、腰が痛いは間違いという事です。
肩こりと似ている疾患
肩こりと同じような首や肩の「痛み」で、寝違えがあります。
朝起きた時に「首や肩が痛くて首が回せない」などの症状が出ている場合にそう呼ばれます。
肩こりも寝違えも、患部(痛い場所)は似ているのですが、「痛み」の感じ方が違います。
肩こりや首こりは、首や肩をマッサージされると気持ちいい、もっと揉んで欲しいと感じます。
しかし、朝起きたら首が回らないなどの、いわゆる寝違えの場合、首や肩をもっと揉んで欲しいとは感じません。
寝違えは患部を触ると痛く、マッサージを続けると悪化するケースが結構あります。
肩こりと寝違えの違い
・肩こりは、肩(患部)をもんで欲しくなるが、患部に原因は無い。
・寝違えは、肩(患部)を揉んで欲しくないし、揉まれると痛い。同じく患部に原因は無い。
このように、同じ「肩の痛み」でも、肩こりと寝違えでは種類が違うのです。
痛みの種類が違うという事は、痛みの原因が違うと考えます。
肩こりの原因、寝違えの原因
肩こりを感じた事が無い人は、その痛みが分からないと思いますが、腕を横に上げる姿勢、いわゆるTの字の姿勢をずっと続けると分かります。
だんだん肩(腕?)の付け根辺りの筋肉が疲れてきますよね。
それでも頑張ってその姿勢を限界まで続けた後に、思わず肩を揉みたくなりませんか?
当院では、その状態の悪化が、肩こりの痛みのメカニズムだと考えています。
肩を支えなければいけない部分が疲労(コリやハリ)で力を出せず、肩がひとりで頑張ってしまっている(痛い)状態という事です。
対して、寝違えは寝ている時の慣れない姿勢や圧迫によって、どこかにコリやハリができた事によって方に肩や首に痛みが出ている状態です。
まとめ
このように、同じ肩の痛みでも、起因が違えば痛みの出方が違います。
それぞれの原因を解決してあげれば、肩こりはスムーズに解消されます。
ひたすら肩にマッサージや電気をあてられたりされていませんか?
現在の治療方針に疑問を持っているのでしたら、一度セカンドオピニオンをお勧めします。