その筋トレって本当に正しいの?
「腰痛を緩和するために、腹筋を鍛えましょう!」
「椎間板ヘルニアの痛みを緩和するために、筋トレをして筋肉のコルセットを巻きましょう!」
腰が痛いからと医療機関を受診した時、そんな指導をされた患者さんは多いのではないでしょうか?
そして、実際にリハビリ室で腰のマッサージに加え、腹筋などの筋トレを指導される…
自宅でも時間を見つけては、リハビリと思って指導された筋トレ…
本当にそれって意味ありますか?
今まで考えたこともないのでは?
「整形外科の先生が言うんだから間違いない。」
「リハビリの先生に指導されて…」
ほとんどの方が、そう言うと思います。
![腰痛でコルセットを巻いているイメージ](https://midorisei.jp/wp-content/uploads/2021/01/shutterstock_1758517904.jpg)
腰痛改善に筋トレは不要
当院にも腰痛の患者さんは大勢いらっしゃいます。
しかし、当院では今まで一度も筋トレを指導した事はありません。
何故なら、ハッキリ言って必要ないし、痛みに関係ないからです。
分かりやすく言えば、筋肉ムキムキの人でも腰痛の人がいます。
鍛えてる筋肉が違う?
そうではありません。
確かに腰痛に腹筋は関係しておりますが、悪さをしているのは「硬さ」であり、筋力は関係ありません。
原因となる筋肉が堅くなっているから、身体がうまく姿勢を保てず歪みが発症し、腰痛になっているのです。
そもそも、腰痛の時に腹筋を鍛える運動をしようとしても、痛くて出来ない方もいるのではないでしょうか?
痛い部分をかばっての筋トレは、別のところへ痛みを発生させてしまう可能性すらあります。
筋肉は縮んで硬くなるのが仕事
縮んで硬くなり力を発揮するのが筋肉です。
筋力を最大限に出すには、筋肉が緩んで柔らかくなっていて、縮むことがスムーズにできなくてはなりません。
緩んでいるからこそ縮むことができ、筋力を力強く発揮できるのです。
つまり、筋肉を緩めれば筋力は回復するということです。
そして、筋力が回復すれば体のバランスも改善され、結果的に痛みも取れるのです。
それを考えずに筋肉を鍛えても、痛みの緩和どころか悪化させるだけです。
![膝を痛めているイメージ](https://midorisei.jp/wp-content/uploads/2021/01/shutterstock_1348427309.jpg)
その他の疾患も同じ
変形性膝関節症に対しての太ももの筋トレや、ギプスを外した後の機能改善の筋トレも同様です。
仮に何かの理由で1ヶ月ベッドに寝たきりになっていたとします。
その場合、確かに筋力の低下、具体的に言うと「筋肉の萎縮」が起きています。
実際に歩いたり、階段の登り降りをする動作が弱っていると思います。
しかし、その原因のすべてが「筋肉の萎縮」ではありません。
筋肉は長時間使わないでいると、萎縮するだけでなく硬くなります。
つまり、筋肉の堅さも筋力低下の原因なのです。
なので、筋力を回復させるためには、筋トレをする前に、まずは筋肉を緩める必要があります。
適切に筋肉を緩めば、その時点で筋力は即座に回復します。
そこから必要であれば、さらに筋トレをすれば良いのです。
それを飛び越えて、いきなり筋トレなどのリハビリをすると、非常に過酷な事になります。
![腕の筋トレイメージ](https://midorisei.jp/wp-content/uploads/2021/01/shutterstock_1847642779.jpg)
オリンピック選手ですら逃げ出すリハビリ
以前に「リハビリがツラすぎて逃げ出した」なんてオリンピックメダリストの話を聞いた事があります。
プロの選手が耐えられないリハビリなんて、どんだけ苦痛だったのでしょうか。
おそらく無理な筋トレを強要されたり、無理矢理関節を動かされたりしたのでしょう(泣)
プロの選手であっても、知識や情報がなければ、そういう間違った医療機関へ行ってしまうという良い例です。
痛みの緩和や機能改善に、筋トレは二の次、三の次です。
無理やり関節を動かすようなストレッチも必要ありません。
日本人は、苦労は報われるという思想が強くあります。
その苦労は痛みを伴っても仕方がないという…
筋トレやストレッチで言えば、まったく無駄で意味のない考えです。
痛いという事は、正しくない事をしているということです。
まとめ
筋肉トレで筋肉をつければ痛みが和らぐのでしたら、筋肉ムキムキの人に、腰痛持ちや椎間板ヘルニア持ちの人はいないはずです。
しかし、実際はいくらでもいます。
逆に筋肉がない人は、みんな腰痛持ちなのかと聞かれたら、きっと誰もが「そうじゃない」と答えるでしょう。
つまり、腰痛など身体の痛みに、筋力は関係ないということです。
どんな疾患でも同じです。
何度も言いますが、痛みの原因は筋力ではなく、筋肉の「硬さ」です。
RMTを基に考えれば、その硬くなっている筋肉の場所は、即座に特定できます。
あとは、そこを緩めるだけ、効果は最短一回です。
きちんとした理論に基づいて適切なリハビリをおこない、スムーズな現場復帰を目指しましょう。
もし、現在通っているリハビリステーションで、無理な筋トレやストレッチを強要されているのでしたら、一度セカンドオピニオンをお勧めします。