概要
野球選手は「ボールを投げる」という動作を繰り返します。特にピッチャーは、一試合あたり100回以上投げるケースもあり、練習も含めれば更に投げる回数は増えます。
そうなると、当然肩に負担がかかり、筋肉が張ったり痛くなったりしてきます。そうした肩の痛みを抱えて、整形外科や接骨院へ行くと「野球肩」と診断されます。
テニスしている人が肘を痛めたら「テニス肘」と同じように、野球をしている人が肩を痛めたら野球肩です。
簡単に説明
野球選手が肩を使い過ぎて痛めたら野球肩と診断されます。
その症状によって、本来の名前があります。
野球肩の種類
肩関節インピンジメント症候群
肩関節を動かす際に、関節付近で他の骨や筋肉とのインピンジメント(衝突)が生じることにより、組織の損傷が起こって痛みが生じる疾患。
腱板損傷
肩のインナーマッスルである腱板筋群(棘上筋・棘下筋・肩甲下筋・小円筋)の腱板が切断される事によって痛みが生じる疾患。
上腕骨骨端線障害
(リトルリーグショルダー)
子供には、骨端線とよばれる成長軟骨板があります。その名の通り、成長して(伸びて)いく骨です。繰り返しの負荷でそこが離開し痛みが生じる疾患。
動揺性肩関節症
(ルーズショルダー)
肩関節を構成する骨や筋肉に、明らかな異常がないのにも関わらず、肩関節の痛み、脱臼しそうな不安な感じ、腕のしびれ感などが生じる疾患。
肩甲上神経損傷
首の付け根から肩の筋肉へつながっている末梢神経が損傷する事によって、肩に力が入らず挙上できなかったり、肩が重く感じるたりする疾患。
関節唇損傷
前後上下に肩関節がブレないよう支えている関節唇が骨から剥離する事で、肩に痛みを感じたり、肩が抜ける感じやひっかかり感を生じる疾患。
など。
それぞれ痛みの出る場所や痛みの度合い、痛いと感じる動作などが違います。
症状
肩の痛みで投球動作がうまくできなくなります。肩の痛みは特定の姿勢、動作をとることで増強することもあります。また、肩が腫れることもあります。
成長期のお子さんに野球肩が生じると、腕の成長障害をおこすこともあります。また、リトルリーグショルダーにより成長軟骨が障害を受けると、成人期になってから両上肢の長さに差が生じてしまうこともあります。
引用:野球肩について | メディカルノート
一般的には、上記のようにいわれていますが、症i状は患者さんに寄ってさまざまです。ひとつ言えることは、野球選手が肩を痛めたから野球肩と呼ばれているだけです。
他の痛みと同様に原因部位を見つけ出し、その痛みを取り去る事が重要です。
診断
動作確認や痛みの発生場所、レントゲンなどで診断を行いますが、野球選手が肩を痛めたら、基本野球肩です。
一般的に診断にはレントゲンを使用すると思いますが、レントゲンは骨折の確認なので、明らかに肩の骨折やヒビが疑われる場合以外は、野球肩でレントゲンは不要です。
切断・損傷は、筋肉や腱、靭帯における症状であり、レントゲンには写るはずがありませんので、レントゲン撮影のみで上記のような疾患を診断されたのでしたら、本当なのか疑ってみる必要があります。
剥離に関しては、剥離しているのに痛い人と痛くない人がいますので、こちらも剥離が痛みの原因とは言えませんので、気にする必要はありません。
上記「野球肩の種類」にある各疾患の説明を読むと、切断・剥離・離開・損傷などと、不安をあおる言葉が並びますが、実際にそのようなケースは見たことはないので、診断や疾患名にこだわる必要はありません。
ちなみに、レントゲンに映らない骨折といわれている疲労骨折は、実際、骨にヒビもなければ折れてもいません。
原因
「病院で、肩関節インピンジメント症候群と言われた」
「整形外科で、腱板損傷と言われた」
「医療機関で、上腕骨骨端線障害と言われた」
「動揺性肩関節症と言われた」
「肩甲上神経損傷と言われた」
「関節唇損傷と言われた」
当院には、上記のような患者さんがたくさんいらっしゃいます。
しかし、本当に腱板や関節唇を損傷していたら、安静にして損傷が修復されるのを待たなければ痛みは取れません。なぜなら、損傷ということは傷だからです。切り傷を思い出していただければ分かると思いますが、傷はその場で治すことは不可能です。
ですが、当院に来る野球肩の患者さんは、施術によって、その場で改善、もしくは完治しています。
「技術が優れているから?」
その点は否定しませんが、そうではありません(笑)
実際には「損傷していなかった」という事です。
損傷していないのに、損傷と言っているのです。切断や剥離も同じです。もし本当に切断されていたら、肉離れのようにどす黒い内出血ができる上に、尋常じゃないほどの激痛が起こるはずです。
つまり、すべて誤診であり「もどき」なのです。
当HPにUPしている「炎症について」にある内容と同じです。「適当に名付けているんだな」と憤りすら感じます。
何度も申し上げますが、野球肩の臨床は何百とある中で、腱板や関節唇を損傷しているケースは見たことがありません。本当に損傷しているのなら、自然に治るのを待つしかありません。そして、その怪我が損傷なら、時間が必ず解決してくれるはずです。なぜなら、治らない(くっつかない)傷など、血液の病気以外ありえないからです。
それなのに「野球肩で〇〇損傷と診断されてから、ずっと安静にしているのに一向に治らない」と、当院へいらっしゃる患者さんが大勢います。
それが答えです。
他にも、インピンジメント症候群なら、定義は「肩の関節で腱が挟まれている痛みが発生している状態」です。
ということは、関節を動かしている組織(筋肉や筋膜、靭帯)が原因といえます。筋肉や筋膜、靭帯に問題があるから歪みが発生し、結果として肩の関節が腱を挟む状態になっているからです。
それなら、対処療法で自然に治るのを待たなくても、治療家なら施術療法で治すことが可能なはずなのです。
手術
野球肩は施術で完治可能ですので、手術するのは、とてももったいない事です。野球肩での手術は無駄と言っても良いかもせしれません。一度、身体にメスを入れてしまうと、取り返しのつかないケースもあります。
治療
野球肩、◯◯損傷とか◯◯症候群、〇〇障害あるいは◯◯の炎症と診断されても、まったく気にする必要はありません。施術で治ります。野球を休んで安静にする必要はありません。
「肩が痛いから治してもらう」
それで良いのです。
施術ポイント
野球肩は、振りかぶった時や、肩がしなった時に痛みが出やすい傾向があります。肩の外転と外旋という動きです。肩には色々な筋肉や靭帯がありますが、その外転と外旋が複合した時に動くべき組織が動いていないから、肩の腱が挟まれたり、痛かったりするのです。
例えば「棘上筋」は、肩甲骨の上部にある筋肉ですが、野球肩の完治に重要な筋肉の一つです。緩め方は色々ありますが、筋肉の付着部をマッサージする方法が一番簡単です。大結節という肩の少し出っ張った部分、ここをグリグリするだけでも、棘上筋が少し緩んで野球肩の痛みが緩和します。
また、棘下筋も重要です。
その他の細かい調整は、患者さんの症状に合わせて、オーダーメイドの施術をおこなっていきます。
まとめ
野球肩は子供から大人まで、野球をやっている限り、誰にでも発症する可能性のある疾患です。
プロ選手の場合は、手術を迫られる場面もあると思いますが、本当に手術が必要なのかは、注意する必要があります。一度体にメスを入れてしまうと、メスを入れる前には戻れません。
また、野球肩は、切断や剥離、損傷が原因ではありません。
よく聞く対処療法というは、凄くしっかりしている治療手段に感じますが、簡単に言えば、痛みをごまかしながら自然に治るのを待っているだけです。本当に損傷なら、それでも治るかもしれませんが、いつまで経っても治らないのなら、それはやり方が間違っているという事です。
野球肩は、手術をしなくても施術で治ります。
もし、安静を指示されていたり、手術を考えているようでしたら、一度セカンドオピニオンをお勧めします。
その野球肩、
本当に切れていますか?
本当に剥がれていますか?
本当に傷ついていますか?